全国7種の魚醤・しょっつるを食べ比べておすすめをご紹介!

魚醤7品
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【この記事を書いた人】カセ
元調味料販売員。「お客さんに知ってもらうためには料理できないと!」という思いから料理を始めました。料理のレシピ、気付きなどを忘れないようにブログにメモしております。⇒【詳しいプロフィールはコチラ

こんにちは、魚醤大好きカセです。

魚介の旨味とコクが溶けだした魚醤、美味しいですよね!でも魚醤って全国各地に色んな種類がありますし、イカ、エビ、イワシ、ハタハタなど使われている材料も様々。ネット上にも色んな種類の魚醤が紹介されていますし、どれを選べば良いのか迷ってしまいますよね。

そこで今回は、私が全国の有名魚醤7種を食べ比べ、その時に一番美味しかったオススメの魚醤をご紹介します!

カセ
実際に食べ比べて、一番美味しかったものをご紹介します!




魚醤とは?

魚醤とは、魚介類を塩で漬け込んで発酵させた塩分濃度の高い調味料になります。見た目も味も醤油に大変よく似ていますが、大豆の代わりに魚介類を発酵させているのが大きな特徴です。

魚介類を使用しているため醤油と比べて生臭いのが欠点ですが、魚介独特の旨味成分が溶けだしてるため料理に使うと旨味が増すのが大きな特徴です。煮物料理や炒め物のように火を通すと魚醤独特の臭みが飛び、旨味だけが残るため相性が良いとされています。

日本ではあまり馴染みの無い魚醤ですが、世界ではタイのナンプラーやベトナムのニョクマム、イタリアのコラトゥーラ等が非常に有名です。魚介類を塩漬けにして発酵させるという技術は世界各地に広まっているんですね。

日本でも古くから製造されてきましたが、醤油の発展と共に姿を消してしまいました。しかし、秋田県の「しょっつる」や、石川県の「いしり」「いしる」、香川県の「いかなごしょうゆ」などは今でも名産品として製造されています。

魚醤を使ったレシピはコチラ→魚醤を使った人気レシピ【まとめ】

秋田県のしょっつるについてはコチラ→秋田名物しょっつるについて

日本三大魚醤についてはコチラ→日本三大魚醤とは?材料の違い、味の違いについて

魚醤、しょっつるを食べ比べることになった理由

調味料販売を仕事にしていましたので、魚醤を一品仕入れることになっていました。しかし、魚醤は製造地域によりイカ、エビ、イワシ、サバ、ハタハタ、タラ、アユなど原料が異なり、塩漬けにする期間や温度など、製法がバラバラでした。原料・製法が異なるので当然味も変わります。

例えば、一般的にはイワシ、ハタハタ、アユなどを主原料にするとクセの無いさっぱりとした味わいになると言われていますが、反対にイカやエビなどを使えばクセの強い濃厚な味になります。

そこで、一番良い品を決めるには「もうこれは食べ比べするしかないな」ということで全国から有名商品7種を取り寄せて、食べ比べすることとなったのです。

カセ
使用する魚介類によって味が全然変わってくるのが面白い所です。

全国から集めた魚醤7品

魚醤7品

コチラが全国から集めた魚醤7品になります。各社様のブランドイメージがありますので、商品名は伏せさせていただきました。(一番美味しい魚醤だけ商品名込みでご紹介させていただきます。)

A社のイカ魚醤

イカ魚醤

イカを主原料に使った魚醤となります。イカの名産地で作られている魚醤です。イカの内臓を使っているため、他の魚醤と比べて色が濃いのが特徴。

B社のイカ魚醤

イカ魚醤

こちらもイカを主原料に使った魚醤です。イカの内臓を使っているため、他の魚醤と比べて色が濃いのが特徴。A社と比べると若干色が薄い。

C社のハタハタ魚醤

ハタハタ魚醤

ハタハタを主原料に使った、秋田の有名な魚醤「しょっつる」の一つです。他と比べて色が透き通っています。数あるしょっつる商品の中でも特に有名な魚醤です。最有力候補。

D社のタラ魚醤

タラ魚醤

タラを主原料に使った魚醤です。こちらも秋田県で作られており、タラをしょっつるの製法で仕込んだ珍しい魚醤です。

E社のアユ魚醤

アユ魚醤

アユを主原料に使った珍しい魚醤です。魚醤と言えばほとんど海水魚を使用しますが、コチラの魚醤は淡水魚を使用しています。他と比べて臭みが無いのが特徴なんだとか。

F社のエビ魚醤

エビ魚醤

あみえびを主原料に使った魚醤です。透き通った淡泊な見た目とは裏腹に、エビの強烈な匂いが特徴的です。

G社のエビ魚醤

エビ魚醤

甘エビを主原料に使った魚醤です。F社と違い色が非常に濃いのが特徴的です。こちらも匂いはかなりきついです。

一番美味しい魚醤、しょっつる

タラ魚醤

結論から言うと、一番美味しかったのはD社のタラ魚醤でした。

D社のタラ魚醤は秋田県にある醤油味噌メーカー様の「うわてん」という商品になります。

  • 生臭さが目立たない
  • それでいて旨味成分がしっかり残っている

これが「うわてん」の大きな特徴と言えます。

鱈魚醤「うわてん」について

  • 商品名:うわてん
  • 原材料:真鱈、食塩
  • 内容量:150ml
  • 価格:960円(税込)




食べ比べた感想

各商品を食べ比べてみて感じたことは「クセが強く、生臭さが目立つ」もしくは「クセは薄いが、旨味も少ない」のどちらかが多いということです。

例えば、A社のイカ魚醤、B社のイカ魚醤、F社のエビ魚醤、G社のエビ魚醤なんかはとにかくクセが強く、味も匂いも生臭さが目立つ商品でした。この生臭さを消すために、香りの強い食材と一緒に煮込めば美味しそうですが、使いづらいのは間違いないです。

反対に、C社のハタハタ魚醤、E社のアユ魚醤は生臭さが少なく、クセが無いんですが旨味成分も薄く感じられるのが大きな欠点です。旨味を残すというのは、魚の生臭さを残すという所と繋がっていますので、どうしても仕方のない部分はあるのですが、それでも魚醤最大の特徴である「魚介の旨味」が薄くなっているのは残念でした。

その点、D社のタラ魚醤「うわてん」は、魚醤独特の魚臭さを上手く消しており非常に食べやすく、かつ魚介の旨味成分を残しているため美味しく食べられました。この二点が非常に高いレベルでバランスよくまとまっていたため、タラ魚醤「うわてん」を一番のオススメとしました。

カセ
D社のタラ魚醤「うわてん」は、生臭さを消しつつ、旨味を残しているのが大きな特徴です。

 

こちらがメーカーで公表しているデータなのですが、「うわてん」は旨味成分を表すグルタミン酸が他の魚醤よりも高いことがわかります。

また、魚醤の臭み成分を表すアンモニアの数値も他の商品よりも少なくなっているのがわかります。

私も食べてからこのデータを見てびっくりしたのですが、「魚醤の旨味成分を残しつつ、臭みが少ない」という特徴はこのデータからも読み取れるのですね。

まとめ

いかがでしたか。今回は全国から7品の有名魚醤を集め、食べ比べをして1番美味しいおすすめの魚醤を選びました。その結果、タラ魚醤「うわてん」が一番美味しいということがわかりました。

7品を食べ比べてみてわかったことは、魚醤は「魚介の旨味が強いが、臭みも強い」「魚介の旨味が薄いが、臭みも少ない」のどちらかに分かれるということです。どうしても臭みを消そうとすると魚介の旨味も薄くなってしまう、という印象でした。

しかし、その中でも「うわてん」だけは非常にバランスよくまとまっており、魚臭さを上手く消しつつも魚介の旨味成分をしっかり残しています。非常に食べやすく味も美味しいので、今回一番オススメの魚醤とさせていただきました。

カセ
魚醤好きの方には是非試して欲しい一品です!!

【2017年10月19日追記】また美味しい魚醤を見つけました!→特牛イカ魚醤がめちゃくちゃ美味い!だから紹介させて!