日本三大魚醤とは!?材料の違い、味の違いについて

魚醤
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【この記事を書いた人】カセ
元調味料販売員。「お客さんに知ってもらうためには料理できないと!」という思いから料理を始めました。料理のレシピ、気付きなどを忘れないようにブログにメモしております。⇒【詳しいプロフィールはコチラ

どうも、レシピ考案の傍らに変わった調味料の発掘もしておりますカセです。独特の塩辛さと生臭さ、そして旨味成分が特徴の魚醤。料理をする上で度々見かける調味料です。自分も稀に使いますが、なかなか引き出しが狭く、どう使い切るか毎度悩んでおります。

そんな魚醤ですが、なんと日本には「三大魚醤」という名品がありそれぞれ産地で長く愛されているとのこと。品によって材料になっている材料も変われば工程にも違いがあり、何といっても味も違うとのこと。今回は日本三大魚醤の謎に迫ります。




日本三大魚醤:秋田県のしょっつる

日本で一番有名といっても過言ではないのがこの「しょっつる」ではないでしょうか。しょっつるは「塩魚汁」とも書きます。私も初めて使った魚醤がこのしょっつるでした。秋田県で江戸時代から作られている伝統的な調味料で、秋田の県魚ハタハタを使って作られています。一時期はハタハタの漁獲量激減に伴い、イワシやアジなどを混ぜたしょっつるが多く出回っていたそうですが、近年は漁獲量が回復し、ハタハタの含有量も増えてきたとのことです。

魚醤なので独特の塩辛さと生臭さはありますが、ハタハタを主原料に使っているこのしょっつるは他の魚醤と比べて匂いが少なく、色味が淡いのが特徴です。

日本三大魚醤:石川県のいしり、いしる

しょっつると双璧をなす有名魚醤、それが「いしり」「いしる」です。能登半島の名品で、伝統的な郷土料理にも数多く使われております。最初はなまりの違いかなと思っていたのですが、「いしり」が真イカの内臓をメインに使っており、「いしる」がイワシやサバをメインに使っているそうです。日本三大魚醤の中でも最も生産量が多く、消費者の方に愛されていることが伝わってくる調味料です。

「いしり」はイカの内臓を使用しているため、クセが強く独特の香りがあるのが特徴です。それに対し、「いしる」は青魚をメインに使用しているためクセが無く食べやすいとされています。

日本三大魚醤:香川県のいかなごしょうゆ

最後にご紹介するのが香川県で作られている、いかなごという小魚を使った「いかなごしょうゆ」。見た目の淡い色に対して、塩分濃度は非常に高く28~29%ほどあります(普通の醤油が約16%前後と言われています)。非常に塩辛い「いかなごしょうゆ」ですが、意外にも魚のうま味成分が強く、塩辛さはキツく感じられないとのこと。他の「しょっつる」や「いしる」とは違い、1950年ごろに消費量が減り、生産者がいなくなってしまったそうですが、近年は香川の名産品として生産が再開されたそうです。

高い塩分濃度が特徴的ですが、魚のうま味成分も強く、芯のあるスッキリとした味わいになっています。




まとめ

日本三大魚醤の生産地と原料をまとめると以下のようになります。

  • 秋田県のしょっつる:ハタハタを原料に製造
  • 石川県のいしる:イワシやサバなどの青魚を使用
  • 石川県のいしり:イカの内臓を使用
  • 香川県のいかなごしょうゆ:いかなごと呼ばれる小魚を使用

それぞれに違った良さのある調味料となっておりますので是非一度使われてみてはいかがでしょうか。


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