どうも、食品調味料販売をしているカセです。
日本各地に色んな魚醤がありますが、「でも美味しい魚醤ってどうやって選べば良いの?」という疑問、当然ありますよね。そこで調味料販売を行っている私が、各種メーカーの魚醤を取り寄せ本当に美味しい魚醤を今回選びます。
魚醤選びに迷っているあなたに、プロ目線で本当に美味しい魚醤をご紹介致します。
魚醤とは
魚醤とは、魚介類を塩に漬け込んで発酵させた調味料のことを指します。醤油が大豆を塩で発酵させるように、魚介類に置き換えたものをイメージしていただければわかりやすいかもしれませんね。
味は醤油のように塩分濃度が非常に高く(一般的な醤油は塩分濃度16%前後ですが、魚醤は20~25%ほど)、魚介独特の匂いとダシのような旨味成分が詰まっているのが特徴です。
世界的にも非常に有名な調味料で、タイのナンプラーやベトナムのニョクマム(ヌクマム)、イタリアのコラトゥーラなど世界各地で食べられているのです。
日本では醤油の発展と共に数を減らしていきましたが、魚醤の名産地ではまだ製造続けられており、秋田県のしょっつる、石川県のいしり・いしる、香川県のいかなごしょうゆなどが有名です。
魚醤を使ったレシピについてはコチラ→魚醤を使った人気レシピ【まとめ】
秋田県のしょっつるについてはコチラ→秋田県のしょっつる
日本三大魚醤についてはコチラ→日本三大魚醤とは!?材料の違い、味の違いについて
そもそも何故魚醤食べ比べをすることになったのか
当時の私は何か変わった調味料を一品仕入れたいと思っていました。
そこで食品展示会で見つけたのが「魚醤」です。醤油のような塩辛さとダシのような旨味成分のあるこの調味料、一目見て面白い!と思いました。
しかし、よくよく調べてみると昔からの伝統ある調味料で日本各地に製造所があるとのこと。しかも原料は地域により異なり、アジ、イワシ、サバ、ハタハタ、タラ、アユ、イカ、エビなど多岐に渡ります。
という流れで商品選びのために、各種メーカーの魚醤を取り寄せることにしました。
・
・
・
・
・
ということで、食べ比べをした中で一番美味しいと思う魚醤を紹介させていただく運びとなりました。
※カセ個人の感想となりますのでご了承のほどお願いします。
全国から集めた魚醤7品
今回、取り扱う魚醤選びをするにあたって全国から有名な魚醤7品を取り寄せました。
※各社様の商品ブランドがありますので、一番美味しい魚醤だけ最後に商品名をご紹介させていただきます。
A社のイカ魚醤
イカを主原料に使った魚醤となります。イカの名産地で作られている魚醤です。イカの内臓を使っているため、他の魚醤と比べて色が濃いのが特徴。
B社のイカ魚醤
こちらもイカを主原料に使った魚醤です。イカの内臓を使っているため、他の魚醤と比べて色が濃いのが特徴。A社と比べると若干色が薄い。
C社のハタハタ魚醤
ハタハタを主原料に使った、秋田の有名な魚醤「しょっつる」の一つです。他と比べて色が透き通っています。数あるしょっつる商品の中でも特に有名な魚醤です。最有力候補。
D社のタラ魚醤
タラを主原料に使った魚醤です。こちらも秋田県で作られており、タラをしょっつるの製法で仕込んだ珍しい魚醤です。
E社のアユ魚醤
アユを主原料に使った珍しい魚醤です。魚醤と言えばほとんど海水魚を使用しますが、コチラの魚醤は淡水魚を使用しています。他と比べて臭みが無いのが特徴なんだとか。
F社のエビ魚醤
あみえびを主原料に使った魚醤です。透き通った淡泊な見た目とは裏腹に、エビの強烈な匂いが特徴的です。
G社のエビ魚醤
甘エビを主原料に使った魚醤です。F社と違い色が非常に濃いのが特徴的です。こちらも匂いはかなりきついです。
判断基準
魚醤を食べ比べするにあたって、「香り」「原液で舐めた時の味」「お吸い物にした時の味」の三つで判断します。
香り
魚醤の香りの良さで判断します。魚醤は独特の魚臭さが特徴ですが、今回は一般消費者様向けのレビューになりますので、あまりにも生臭さがきついものは万人向けではないと判断します。
原液で舐めた時の味
原液で舐めた時の味で良し悪しを判断します。ただし、塩分濃度が非常に高いため、味がわかりづらいのが難点です。そのため、後述するお吸い物でも味を判断します
お吸い物にした時の味
しょっつる汁を作った時の経験から、お湯で薄めた時の方が味がわかりやすいと感じていました。そこで、魚醤をお湯で20倍に薄めてスープ状にして判断します。こちらの方が素材の風味が強く出るのが特徴です。
魚醤食べ比べ
私、カセが実際に食べて感じた味の感想について書いていきます。
A社のイカ魚醤
香りの良さ | ★★☆☆☆ |
---|---|
原液の美味しさ | ★★★☆☆ |
お吸い物の美味しさ | ★★★☆☆ |
魚の匂いのキツさはそれなりです。原液で舐めると味が濃すぎるので全然わかりませんが、お吸い物にするとイカの風味が強く感じられます。万人向けとは言えないですが、私は好きな味です。
B社のイカ魚醤
香りの良さ | ★★☆☆☆ |
---|---|
原液の美味しさ | ★★★☆☆ |
お吸い物の美味しさ | ★★★★☆ |
A社と同じく原料にイカを使用しているため味・香りは非常に似ています。A社よりさらにマイルドで風味が強くなった感じでしょうか。コチラも人を選びそうな味です。
C社のハタハタ魚醤
香りの良さ | ★★★☆☆ |
---|---|
原液の美味しさ | ★★★☆☆ |
お吸い物の美味しさ | ★★★☆☆ |
ハタハタを原料に使用した有名なしょっつるです。香りは塩気が強く、魚介の匂いは強くありません。原液とお吸い物でもやはり塩気が強く、ダシのような魚介の味は薄いように感じました。
D社のタラ魚醤
香りの良さ | ★★★★☆ |
---|---|
原液の美味しさ | ★★★★☆ |
お吸い物の美味しさ | ★★★★★ |
タラを原料に、しょっつるの製法で作った魚醤です。魚の匂いがキツ過ぎず、かといってダシのような旨味成分が薄いということもありません。魚介の旨味と塩気のバランスが非常に良く取れています。
E社のアユ魚醤
香りの良さ | ★★★☆☆ |
---|---|
原液の美味しさ | ★★★★☆ |
お吸い物の美味しさ | ★★★★☆ |
唯一淡水魚を使用した魚醤のため、やはり生臭さが無くさっぱりしていて食べやすい印象。味も十分美味しいのですが、やはり海水魚と比べると物足りなく感じます。魚の味が薄いので塩気を強く感じます。
F社のエビ魚醤
香りの良さ | ★☆☆☆☆ |
---|---|
原液の美味しさ | ★★★☆☆ |
お吸い物の美味しさ | ★★★☆☆ |
あみえびを使用した魚醤です。7品の中でも一番匂いがきつく、ちょっと開けただけで部屋中に生臭さが充満します。味も非常にクセが強く、ご家庭で使うのは難しい印象。専門料理店向けでしょう。エビ独特の苦みが強い。
G社のエビ魚醤
香りの良さ | ★★☆☆☆ |
---|---|
原液の美味しさ | ★★★☆☆ |
お吸い物の美味しさ | ★★☆☆☆ |
コチラは甘えびを使用した魚醤です。F社ほどではありませんが、やはり強い生臭さがあります。さらに味が強烈で、7品の中でも一番濃い物になっています。とにかく苦みが強い印象。F社とは違った意味でクセが強い一品です。
一番のオススメ魚醤発表
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
一番オススメなのはD社のタラ魚醤です!
7品を食べてみて感じたことは、「魚の生臭さが強いけれどダシのような旨味成分がある」と「魚の生臭さは無いけれど旨味成分も無い」どちらかに分かれているということでした。当たり前といえば当たり前ですが、さっぱりした魚醤はダシのような旨味成分も控えめな印象です。
その中でもD社のタラ魚醤は非常にバランスが良く、魚臭さを上手く消しつつ、旨味成分をたっぷり残しています。魚醤の良いトコどりをしたようなこの商品を今回マイベスト魚醤とさせていただきました。
D社のタラ魚醤は秋田県にある醤油味噌メーカー様の「うわてん」という商品です。魚醤好きの方は是非一度お試しいただきたいです。
-
-
- 商品名:うわてん
- 原材料:真鱈、食塩
- 内容量:150ml
- 価格:960円(税込)
カセ私、カセが自信を持ってオススメします!まとめ
いかがでしたか。今回は全国から集めた有名魚醤7品の中から、カセ個人の感想で一番美味しい魚醤を選びました。ハタハタ、タラ、アユ、イカ、エビなどの様々な原料の魚醤がありましたが、その中でも一番オススメなのはタラ魚醤の「うわてん」です。
魚の生臭さを上手く消しつつ、ダシのような旨味成分を上手く残しているため、非常に美味しく感じました。一般家庭にも自信を持ってオススメできる商品です。
カセそれではまた別のレシピでお会いしましょう。魚醤を使ったその他レシピはコチラ→美味しすぎる!魚醤を使った人気レシピ【まとめ】
【2017年10月19日追記】また美味しい魚醤を見つけました!→特牛イカ魚醤がめちゃくちゃ美味い!だから紹介させて!
-